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コードを書くとき、あなたはいくつのツールを同時に開いているだろうか。エディタ、ターミナル、AIチャット、ブラウザ……気づけば画面はウィンドウだらけ、どこで何を指示したか追うだけで時間が溶けていく。そんな悩みに応えようとしているのが、新しい開発環境「Orca」だ。
OrcaはIDE(統合開発環境)ではなく、ADE(Agent Development Environment)というカテゴリに属するツールだ。AIエージェントが当たり前になった時代に合わせて設計された、エージェント専用の作業台といえる。
VSCodeなどの従来のIDEが「人間がコードを書く場所」だとすれば、Orcaは「複数のAIエージェントに作業を分担させ、人間がそれを管理・レビューする場所」だ。この根本的な設計の違いが、Orcaの最大の特徴になっている。
GitHubリポジトリではすでに7,000以上のスターを獲得しており、macOS・Windows・Linuxに加え、iOSやAndroidのモバイル連携まで対応している。
Orcaが対応しているAIエージェントは公式で25以上。Claude Code、Codex、Gemini、Grok、GitHub Copilot、Devinなど、主要なコーディングエージェントをほぼ網羅している。
これらを同時に、並列で動かせるのがOrcaの強みだ。「このタスクはClaude Codeに、別の修正案はCodexに」という使い分けを、同じ画面の中でできる。
Orcaの設計の中心にあるのが「Parallel Worktrees(並列ワークツリー)」という仕組みだ。
Gitのworktree機能を活用し、1つのリポジトリから隔離された作業コピーを複数生成して、それぞれのエージェントに別々の作業を進めさせる。共有ブランチを汚すことなく、複数の作業が同時に走る形だ。
作業の起点はGitHub IssueやブランチやPRから選べる。Issueを選び、担当エージェントを割り当て、worktreeを作成する。あとはエージェントが動き、完了したものからdiff(変更差分)を確認してマージするだけだ。
複数のエージェントが並列で動いているとき、人間の課題は「今どれが終わっていて、どれをレビューすればいいか」の把握だ。
Orcaはこれを、カンバン形式のWorkspace Boardで解決する。Todo・In Review・Doneのようにタスクを視覚的に整理でき、ボードのタスクをダブルクリックするとそのまま対応するworktreeに飛べる。AIが動いている間も、人間の注意が分散しない設計になっている。
外出先でデスクトップの作業を確認したいときも、Orcaはカバーしている。QRコードをスキャンするだけでスマートフォンと連携でき、走らせておいた作業の結果確認や追加指示が可能だ。
Orcaが特に力を発揮するのは、複数のエージェントを使い分けながら開発している人だ。Claude CodeとCodexを両方使っている、PRやcommitを自分で管理したい、作業の全体像をいつも把握しておきたい、そういった開発者にとって導入の価値が高い。
逆に、1つのターミナルで1つのエージェントだけを使って満足しているなら、まだ恩恵は薄いかもしれない。
OrcaはAIを「使う」ためのツールではなく、AIを「束ねて管理する」ためのツールだ。エージェントの数が増えるほど、その価値も増す。AIコーディングの使い方が1段階進化してきた今、作業環境そのものを見直す一つの選択肢として注目しておきたい。
https://note.com/masa_wunder/n/na404a9955291
https://github.com/h4ckf0r0day/obscura